指導者の皆さんは、指導する時に子ども一人ひとりの個性や特徴をふまえた指導を行っていると思いますが、各年齢の特性に合わせた指導を行っていますか?またそれぞれの子どもの年齢の特性を知った上で指導を行っていますか?

指導者が指導する上で知っておいた方が良い、子どものそれぞれの年齢の特性を紹介します。
今回は、年齢を知るメリットと2~3歳児の特性をお伝えします。

子どもの特性をより把握し、スポーツ教室の指導に繋げてほしいと思います!

子どものそれぞれの年齢を知るメリット

スポーツ教室の指導者が、子どもたちを指導し、指導の効果を高めるためには、指導する子どもたちを「知る」ことから始まります。
子どもを知るためには「子どもの特性」や、「子どもが成長発達する過程」をスポーツ指導者自身が学ばなくてはなりません。
ただ「やってみなさい!」、「行け!」、「頑張れ!」だけでは子どもはついてくるでしょうか?おそらくついてくる子どももいれば、ついてこない子もいますし、年齢によって理解すらできない子どもいます。
そのため、スポーツ指導者が子どもを理解し、信頼関係を築くことが、子どもの力を伸ばす最短の近道であることは間違いありません。

年齢による違い

子どもは一人ひとり違う。
しかし、発達段階における傾向的な特徴はある。
ここでは、発達段階での特徴を児童心理学に基づいて、指導者が把握すべき重要な部分を考えてみたい。
もちろん、同じ年齢でも発達段階が大きく違う子どもがいることを前提にしなかればならない。

各年代の特性

2歳児

~特性~
2歳児の特性として、怒り・悲しみ・喜び・恐れといった感情、情緒が全面的に出てくる年齢となります。
よく言う「イヤイヤ期」にあたる時期です。何を伝えても、自分の思った通りにことが進まないと嫌、人から指示されること自体が嫌というその様な時期となります。

2歳児の子どもたちは、自己主張が始まり、素直でなくなりますし、周りの人たちの指示やアドバイスに対して反抗的になります。
これが子どもとしての第1反抗期の始まりです。

でもこれは決して悪いことではありませんし、成長していく上で必要なことになります。子どもにとって独立心が芽生えてきた証拠です。

2歳児の子どもの発達として以下のことが挙げられます。
・物の名前を覚える
・会話が上達する
・運動能力も発達する
これから成長していく上でのすべての基礎ができる時期となり、非常に大切な時期です。

 

~では?この時期の子どもに対して大人はどのように対応したらいいでしょうか?~
子どもにとってとても重要な時期とお伝えしましたが、大人にとってもとても大切な時期となります。それはどういうことかというと・・・大人の忍耐がもっとも必要な時期となりますので、子どものわがままな行動に対してイライラしたり、起こったりせず我慢することが大切な時期になります。

子どもからしたら自分自身でもなんでこうなるか理解していません、本能としてその様な行動になるため、この時期の子どもに対しては反抗と捉えず。大人は、子どもの全身全霊の感情を受け入れ理解して、温かく見守りましょう。

そして、この時期に子どもに対して「しつけ」を教えることも大切になります。
・トイレや食事
・睡眠
・着脱衣
・清潔
など、基本的な生活習慣の「しつけ」を始める時期となります。

3歳児

~特性~
3歳児の特性として、行動が活発になり、気持ちも変化しやすい年齢になります。そして、言い出したら、自分の決めたことを曲げずに譲らないことが多くなってきます。
特徴は大人の手助けなしで「何でも自分でやりたがる」ことです。チャレンジ精神が旺盛の時期だからこそ、大人がうっかり手を出すと感情を爆発させて怒り出すこともあります。
その他にも「おしゃべりになる」「遊び上手になる」という特徴もあります。この年齢から色んなことを吸収し始め、器用になる時期だからこそ、今までたどたどしくやりたくても上手くできなかったことができるようになり、どんどん自分でやろう、チャレンジしようという気持ちも芽生える時期です。

 

~では?この時期の子どもに対して大人はどのように対応したらいいでしょうか?~
この時期は子どもが色々な基礎を身に付け、できるようになってきているからこそ、今後の子どもの才能を伸ばす上で大切な時期となります。

近くにいる親と違った自分を理解し始め、自分の力を試してみたくなるため、子どもが社会へ第1歩を踏み出す時期でもあります。大人としては、今までやってあげていたり、「やってやって」と言ってきたりしていたのに、子どもは「やらなくていい」「自分でやる」という風になり、寂しさを感じたり、上手くできないで時間がかかって思うようなスケジュールで進まずイライラすることもあると思います。
ですが・・・やたらに叱ったり悲しんだりせず、成長が歪められることのないような注意が大人として必要になります。
この時期の子どもの自分でやろうとする気持ちを大切にすることで、将来のやる気が育っていきますので、大人は子どもに対して自分からやりたがる生活態度を育て、上手にできなくても手を出さずやらせることが重要です。

リーフラスアカデミーの紹介

リーフラスアカデミーでも「子どもの特性」という科目で、安全なスポーツ環境の提供方法を学べる科目を用意しております。

リーフラス株式会社 マーケティング事業部 市川雄大(いちかわ ゆうだい)
子ども向けスポーツスクール運営企業で10年勤務。指導員として2014年度最優秀賞を獲得、スポーツ指導を行う傍ら、地区責任者、ベトナム学校建設プロジェクトやチームビルディング企業研修講師、パラリンピックアスリート通訳に従事。
イギリスへ中学から大学まで留学、筑波大学大学院(体育学専攻)卒業。
現在は非認知能力測定システム「みらぼ」の開発やリーフラススポーツスクール指導員メソッドの開発に携わる。