子どもは小さな大人ではない!
子どもへのスポーツ指導者としては、必ず知っておかなくてはならい、理解しておかなくてはいけないことというのをご存知でしょうか?
なぜ?この言葉が生まれたのかという背景は、17世紀までの子どもというのは、未熟な大人として扱われており、フランスの哲学者ルソーが教育論『エミール』にて記述した1文となります。
子どもには子ども時代という子どもだけの特別な固有な世界があるからこそ、子どもに適した対応が必要になるということです。
また、それはスイスの発達心理学者のピアジェも同様に、「子どもは大人のミニチュアではなく、子どもの発想は子ども自身独自のものである。」と謳い、発達段階で子ども特有の感じ方や考え方をする存在であると述べています。
そのため、子どもの指導者や教育者は、子どもには子どもの特性があるということを理解した上で、指導や教育に携わらなくてはなりません。
スポーツ指導や教育において「子どもの特性を知る」ことは、子ども達の前に立つ人間にとって最低限の義務と言えます。
「児童憲章」を知っていますか?
児童憲章という言葉も指導者、教育者にとって必ず知っておくべきことの一つということをご存知でしょうか?
1951年5月5日「子供の日」を期して制定された児童の権利宣言です。
「われわれは日本国憲法の精神に従い、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために憲章は定める。」
・児童は、人として尊ばれる。
・児童は、社会の一員として重んぜられる。
・児童は、よい環境の中で育てられる。
児童憲章制定会議. “児童憲章”. 文部科学省.https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1298450.htm, (参照2022-10-5)
指導者や教育者は、子どもの権利を守り、尊重することが必要となります。
子どもの特性を知ろう
子どもを指導する多くの指導者が感じると思いますし、私たちが子どもの頃もそうだったと思いますが、子どもは、無理やりやらされることが大嫌いです。学習やスポーツが「強制」になった時、子どもはやりたくなくなります。
子どもたちが自ら進んでやるようになるためにも、子どもの4つの特性を捉え、指導に活かしていきましょう。
子どもの特性とは?
- 「子どもは競争したがる」
子どもは競い合うことが好きであるという特性を持っています。
この競争を通して、勝ち負けを経験することで成長に繋がります。
勝てば、子どもは嬉しさを爆発させますし、負ければ悔しさを爆発させ、もう負けたくないとやる気を発揮するのです。 - 「子どもは真似をしたがる」
子どもたちは、生まれながらに能力が高く、備えている「真似る力」があるのをご存知でしょうか?子どもは真似したいという特性が非常に強いため、指導者がお手本を見せたり、お手本となる子どもたちにお手本になってもったりすることが効果的です! - 「子どもは難しいことに挑戦したがる」
子どもは、まったくできないことはやりたくないが、少しでも「できそうだな」と感じることはやりたくなります。逆に簡単すぎることは飽きてくるのが子どもの習性です。実際、私たちが子どもの時もそうではなかったでしょうか?
ここで大切になることが、子ども一人ひとりに合わせた「ちょっとだけ」難しい課題を用意し与えることです。課題レベルの調整が難しい部分もありますが、成長に繋げるためのチャレンジする動機づけになります! - 「子どもは認められたがる」
まずは、子ども扱いをしないで、一人前の人として指導していくことが大切です。その上で、子どもを「認める」「褒める」ことが大切である。「認める」というのは、子どもの存在そのものを認めることであり、全員にできることです。子どもも人格を有している人間であることを認めることが大切です。
「子どもは小さな大人ではない」「児童憲章」「子どもの特性」を伝えましたが、指導者は、子どもの特性を理解し、子どもがスポーツ活動に夢中になる環境を提供していけるように心がけていきましょう。
リーフラスアカデミーの活用
リーフラスアカデミーでも「子どもの4つの特性」という科目で、学べる科目を用意しております。
リーフラス株式会社 マーケティング事業部 市川雄大(いちかわ ゆうだい)
子ども向けスポーツスクール運営企業で10年勤務。指導員として2014年度最優秀賞を獲得、スポーツ指導を行う傍ら、地区責任者、ベトナム学校建設プロジェクトやチームビルディング企業研修講師、パラリンピックアスリート通訳に従事。
イギリスへ中学から大学まで留学、筑波大学大学院(体育学専攻)卒業。
現在は非認知能力測定システム「みらぼ」の開発やリーフラススポーツスクール指導員メソッドの開発に携わる。